紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所(三重県津市)
連絡先:kiikankyo@zc.ztv.ne.jp 
ホーム メールマガジン リンク集 サイトマップ 更新情報 研究所

  <紀伊半島の巨木を訪ねる>

 三重県鈴鹿市南長太町の大クス

 三重県鈴鹿市南長太(みなみなご)町の大クスは、名古屋行きの近鉄線が箕田(みだ)駅を過ぎると左側の車窓から見え、名古屋行き近鉄急行では、伊勢若松駅を出発して1分30秒後に進行方向左側の窓から見える。国道23号線からも鈴鹿川の南側の位置に来ると遠望できる(脇見運転で事故を起こさないように要注意)。

 この大クスは、水田地帯の一角に孤立してそびえていて、周辺環境が他の巨木とは違っている。昔は、延喜式内社の大木神社の中にあったようだが、神社の統合で今はそれをしのぶ石碑のみが建っている。この環境は、強風をもろに受けやすく、落雷の脅威にもさらされているなど、厳しいものがある。昭和34年の伊勢湾台風では枝の損壊が激しかったが良く持ちこたえた。最近では、平成16年(2004年)に台風と猛暑の影響で葉が殆どなくなり、枯死の危険がせまったが、近くの「大クス保存会」の人達が力を合わせ、夏場に水をやり、保水用に根元に稲ワラを敷いたりして樹勢の回復をはかった。その後、根の周辺の土壌改良なども行われた結果、写真のように現在では葉が良く茂っている(2007年11月15日撮影)。

 この巨木は、その地域の人達の誇りであり、地域の人達が本当に一生懸命にその保全に努めているのには心打たれる。

 この巨木の下に行くと、その枝振りの躍動感と力強さに感動する。巨木から元気をもらうといった心境になる。このような名木は永く保全されるべきだ。この大クスは、県の天然記念物に指定されている。

(写真をクリックすると拡大します)
周辺は水田で平坦であり、大きな樹木も無いので、大クスの位置が遠くからでも見分けられる。
少し近づいて見ると、その大きさが感じられるようになる。大クスの向かって右側の枝は台風などのために折れている。元は左右対称の樹形であったという。
更に近づくと、四方に枝が力強く伸びているのを見ることができる。樹の根元には、大木神社跡の石碑が建っている。

大クスの真下から見上げると、樹齢1000年を超えるこの樹の巨大さを実感する。

「紀伊半島の巨木を訪ねる(巨木リスト)」へ
「ホーム」へ